コア機能熱可塑性ポリウレタン(TPU)フィルム優れた防水性と透湿性を備え、液体の水の浸透を防ぎながら、水蒸気分子(汗)は通過させます。
1. パフォーマンス指標と基準
- 防水性(耐水圧):
- インジケーター:フィルムの外部水圧に対する耐性をキロパスカル(kPa)または水柱ミリメートル(mmH₂O)で表します。数値が高いほど防水性能が高いことを示します。例えば、一般的なアウトドアウェアでは13kPa以上の耐水圧が求められる一方、プロ仕様の機器では50kPa以上の耐水圧が求められる場合があります。
- 試験規格:一般的にはISO 811またはASTM D751(破裂強度試験法)を用いて試験されます。この試験では、フィルムの片側への水圧を継続的に増加させ、反対側に水滴が現れるまで待ち、その時点の圧力値を記録します。
- 透湿性(蒸気透過率):
- 指標:単位時間あたりにフィルムの単位面積を通過する水蒸気量をグラム/平方メートル/24時間(g/m²/24h)で表します。値が高いほど、通気性と発汗性に優れていることを示します。通常、5000 g/m²/24hを超えると、非常に通気性が高いとみなされます。
- テスト標準: 主に 2 つの方法があります。
- 直立カップ法(乾燥剤法):例:ASTM E96 BW。カップに乾燥剤を入れ、フィルムで密封し、特定の温度・湿度条件下で吸収される水蒸気量を測定する。実際の摩耗条件に近い結果が得られる。
- 逆カップ法(水法):例:ISO 15496。カップに水を入れ、カップを逆さまにしてフィルムで密封し、フィルムを通して蒸発する水蒸気量を測定する。この方法はより迅速で、品質管理によく用いられる。
2. 動作原理
防水性と透湿性を備えたTPUフィルム物理的な細孔を通じて達成されるのではなく、親水性鎖セグメントの分子レベルの作用に依存します。
- 防水性: フィルム自体は緻密で気孔がなく、表面張力とフィルムの分子構造により液体の水は通過できません。
- 透湿性:ポリマーは親水基(例:-NHCOO-)を有しています。これらの基は、肌から蒸発する水蒸気分子を内側で「捕捉」します。そして、ポリマー鎖の「セグメント運動」を通じて、水分子は内側から外側へと段階的に「透過」します。
3. 試験方法
- 静水圧試験装置:フィルムや布地の防水限界圧力を正確に測定するために使用されます。
- 透湿性カップ: 一定の温度と湿度のチャンバー内で、直立カップ法または逆さカップ法を使用して水蒸気透過率 (MVTR) を測定するために使用されます。
4. アプリケーション
これらの特性を活用して、TPUフィルム数多くのハイエンドアプリケーションに最適な選択肢です。
- アウトドアアパレル: ハードシェル ジャケット、スキーウェア、ハイキング パンツの主要コンポーネントで、風雨の中でもアウトドア愛好家のドライさと快適さを保証します。
- 医療用保護具:手術着や防護服などに使用され、血液や体液を遮断(防水)しながら医療従事者の発汗を放出し、熱ストレスを軽減します。
- 消防および軍事訓練用ウェア: 耐火性、耐水性、耐薬品性に加え、高い通気性を備え、機動性とパフォーマンスを維持できる、過酷な環境での保護を提供します。
- 履物素材: 防水ソックスライナー (ブーツ) として使用し、雨天時に足をドライに保ち、内部の熱や湿気の蓄積を防ぎます。
つまり、TPUフィルムは、その独特な物理的・化学的構造により、「防水性」と「通気性」という一見相反するニーズを巧みに両立させており、高機能繊維分野において欠かせない基幹素材となっているのです。
投稿日時: 2025年9月22日